2007.10.09
こまけぇ話
[ 「マイルドにしぬ」 ]
プロペラ犬とは、水野美紀と楠野一郎の二人で構成されるユニットである。
こう、文章にしてみればさくっと済むこの成り立ちだが、現実的にはかなり
珍しい構成のユニットってことになる。
「女優」と「作家(脚本家)」のコンビ。それはそれでいい。
困ることはそんなことではない。
二人とも、ざっくり言ってしまうと「細かいことが大の苦手」なのだ。
水野がなんかのインタビューで「私はおおざっぱだけど、楠野は細かいから・・」
みたいなことを話してたけど、実は全然そんなことない。
てか、細かいことは大嫌い、スーパーめんどくさがりなのだ。楠野さんは。
どんだけめんどくさがりかと言うと、今まで引越しの際に2軒以上下見をしたことがない。
不動産屋さんに下見に連れてかれてもめんどくさいから一件目で決めちゃう。必ず。
「別に何でもいいよ、住めば都」と思える。
しかし、細かいことが大嫌いな以上に、
「揉め事が本当に本当に大嫌い」なのが楠野さんという生き物だ。
「ああ、ここでこの問題を処理しておかないと、後で揉めてめんどくさくなるよなぁ」
って思うと、もういてもたってもいられなくなって、
「細かくてめんどくさいけど先にやっておこ」とチマチマ手をつける。
それが表向きには「細かい」と見えるだけ。修羅場が嫌いなのだ。
かたや水野は、大ざっぱに見えて、こだわるとこには異常にこだわる。
そのかわり、「揉め事を恐れない」のだ。ここがすごい。
度胸が据わっていて、修羅場でも「まあどうにかなるか」と開き直れるからだと思う。
そうでなきゃ、大体、自分らの力でプロペラ犬立ち上げようなんざ思わないし。
去年の春、一冊の脚本を前に「プロペラ犬を立ち上げよう!」と決めたとき、
水野はここまで細かい打ち合わせを毎日やることになるなんざ、想像もしてなかったに
違いない。というか、その細かさは初日に向かって加速度的に増大していくはず。
今日なんかも、撮影で岐阜にいる水野と電話で打ち合わせしたのだが、その内容たるや、
あまりに細かくて、今ここには書けないくらいだ。
書いても面白くもなんとも無い、「なんだか細かい話してんのね」としか思われようがない、
そんな話だ。
電話で話してる二人とも、その事柄の細かさに、自分らでしゃべりながら理解しきれなくて
「ちょっと他の大人に聞いてみなきゃわかんないね」というとこに落ち着くしかないような、
そんな話だ。
でも打ち合わせしとかないと舞台制作が進まない、そんなあなどれない細かさなのだ。
今年、日本で一番打ち合わせをしている女優は水野美紀である、と断言したい。
目に見えないほどの細かい事柄を初日までに積み重ねれば積み重ねるほど、
舞台の上で派手に暴れてがらがらどっかーんってする楽しみが増す、はず。だと思う。
プロペラ犬旗揚げ公演「マイルドにしぬ」、
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