ロメロ先輩、ありがとう

「マイルドにしぬ」に関して、時系列で順を追って振り返っていこうと
思ったのですが、なんだかそれっておセンチな感じだなと思い、
あくまで思いだしたことからバラバラに振り返ることに。
いや~、だって「あの時、舞台裏では水野美紀のこんな熱い思いが・・・」
みたいな感じ、ちょっとどうかと思うし。時系列にそって舞台裏を描くと、
どうしてもこちらが想定する以上の「ドラマチック感」が出てしまうというか、
書き手の「ここでこう盛り上げたい」っていういやらしさがにじみ出てしまうので、
あえてこんな感じで。
まあ日記ですし。

少なくとも年内はまあ「振り返りモード」でもいいかなと思うので、
つらつらと。

今回の「マイルドにしぬ」。の中の一篇「くさりもの」。
たぶん、これはもう、たぶんとしか言えないのですが、女優さんが真剣にゾンビを
30分弱演じたのは、今まであんまりなかったんじゃないかと。
いや、もちろん演劇でも映像でも「ゾンビ」ネタはいくらでもありますし、
毎回役者さんは真剣にうーうーゾンビを演じてたと思うのですが、
「人がゾンビに襲われる」のではなく、あくまで「ゾンビ目線」の話で、
しかも演じるのが女優で、さらに演じるのが水野美紀、となると、これは
かなりレア度が高いかと。

ていうか、「ゾンビ目線」の話ってのがまず無いんですよね。
ゾンビものの基本として、「ゾンビは人間の肉を食らうという本能のみが残っていて、
思考能力は無い」っていうのがお約束なので。
ただこれって、あくまでジョージ・A・ロメロ先輩の一連の「~デッド」シリーズによって
なんとなく世界で体系化されたもので。
「別にゾンビが普通に喋ってもいいんじゃないかな」と思ったのがことの始まりで。
というか、普通に喋ったほうが話が転がるし。

だから、真剣にゾンビものを愛する方々からすると、不満があるかも、とは思います。
ゾンビというよりはバンパイアものに近い習性なので。メロさんは。
まあゾンビもバンパイアもいないんだからどっちでもいいか、って感じですが。

最初の脚本の段階では、もっと湿り気のある感じだったんですよ。
もっとブラックなとこもあったし。
それが稽古を重ねていき、どっかで弾けて
「これはゾンビコントって割り切ったほうが面白いのでは?」という入江さんの的確な判断、
さらにそれを確信させる水野と河原さんのミラクルコンビネーション(ぼけつっこみ)
がどんどんあの作品を作っていった、という感じです。

笑えたのは、水野が演じたゾンビ女優、メロさんがアイドルっぽい人気になったことで。
いや、最初からずーっと水野と楠野さんの間で不安だったのが
「ゾンビ=ホラーもの、気持ち悪い」みたいな感じでひかれるのはきついなぁ、ってことで。
んなことないんですよ、ゾンビってコメディと紙一重で愛嬌あるんですから。人食うだけで。
そこが今回、クリアできたのが一番ほっとしたところでした。
今気付いたんですけど、ゾンビかつ、ちとフランケンシュタインの怪物のペーソスも
入ってるかも、メロさん。