2008.02.15
[ プロペラ犬のなかまたち ]
紀伊国屋ホールに舞台を見に行ったら、帰りの電車の中で隣に立っていた人に
「楠野さん?」と。
「ん?」と振り返ってみたところ、なんとペンギンプルペイルパイルズの玉置孝匡さん!
なんたる偶然!たまたま同じ舞台を見に行き(これはありうる)
同じ日の同じ回で(これもありかな)
帰りに同じ電車に乗り(これは難しい)
同じ車両で(うわー!)
隣の席に立っていた!(軽い奇跡!)
プロペラ犬的に言うと、記念すべき第一回ひみつ集会のお客様。
大体、私こと楠野さんがペンギンプルペイルパイルズを見るようになったのは、
水野から「玉置さんって、すごく面白い俳優さんがいるんだよ」って言われて
奨められたのがきっかけだった。たしか4年ぐらい前で、以来、ペンギンの
公演は毎回拝見させてもらっている。
水野はその後、「ワンマン・ショー」で待望の舞台の上での共演も実現させた。
「面白さ」と「不可思議さ」がきちんと同居している、とても好きな役者さんだ。
んで、渋谷駅で降り、ラーメン食べながら軽く一杯。
こういう偶然の出会いは、とてもテンションが高くなる。
しかも、舞台を見たばっかなので、いろいろ喋りたくてしょうがないことが多かったのだ。
見に来てくださった「マイルドにしぬ」の感想も聞けたし。
時間さえ許せばもっとがっつり飲みたかったが、今晩中にやらなければ
いけないことが数件あり、今日はあくまで軽めに。
店を出た後、携帯で写真を撮り合う男二人。
お互いに「ブログに書きましょー」と言いつつ、渋谷駅でニコニコと別れた。
楽しかった。
それにしても、こういうのが縁なのかなぁ、と思う。
大体、舞台を見た後、新宿駅で電車に乗ろうと思ったら水野からメールがあり、
その電車に乗らず、携帯を開いたのだ。
プロペラ犬に関するとても嬉しい報告ごとのメールで(それに関してはまた後日)
「やった!」と思いつつ、その件に関する電話をちょっとして、水野にメールを返して、
2本あとの電車に乗ったところ、たまたまその車両の、隣に玉置さんが立ってたのだ。
そのメールが来てなかったらさっさと電車に乗ってたし、
そのメールがすごく嬉しいことじゃなかったら、「まあ、後でいいか」と
1本後の電車に乗ってただろうし。
どちらにせよ、玉置さんには会ってなかったわけで。
なんだかニコニコだ。ニコニコがニコニコを呼んだのだ。
いい知らせを送ってくれた水野にも大感謝だ。
プロペラ犬を始めてよかった、と実感するのは、実はこんなちょっとした日常のこと
だったりする。
ほくほく。
※ ※ ※ ※
プロペラ犬脚本家・楠野一郎へのお仕事のご依頼、
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2008.02.13
[ プロペラ犬制作秘話 ]
水野と第二回公演に関して電話でちょこちょこ打ち合わせ。
懸案事項がいくつかあり、何度かこまごまとやりとり。
水野の電話口から聞こえるノイズが、たぶんスタジオの片隅っぽく、
相変わらず何かの収録の合間を割いてあれこれとプロペラ犬関係のことを
こなしているようだ。
相方ながら、ありがたやと思う。
何かいいオチは無いかと思って書き出したが、特にオチがない。
これ以上の展開も無い。
何か面白いことを思いつこう。オチをつけるのだ。
思いつかない。寝る。明日は娘の授業参観なのだ。早く起きなければ。
早朝野球もある。4番でピッチャーなのだから、俺が行かないと始まらない。
はっ。俺は独身だ。娘はもちろん、結婚などしたこともない。しかも驚くべきことに、
早朝野球なんて予定もない。中学以来、バットにも触れてない。
これではオチではない、ただのウソだ。しかも意味がわからない。
うーん。ま、いいか。
プロペラ犬グッズ通販のお知らせです!
水野がつけてるのは、
今回劇場で発売された缶バッジ、「かーぶまん」と「かーぶまん(怒)」。
もちろんこの缶バッジ二点とも、水野美紀画伯の手によるもの。
「マイルドにしぬ」のパンフの一番目立つところに登場したのに、
結局本編の芝居の中で全く触れられぬままに終わったという謎すぎるキャラクター、
「かーぶまん」の缶バッジ。拡大するとこんな感じです。
そしてもうひとつ、こちらも水野美紀デザインによるプロペラ犬オリジナルTシャツ!
LサイズとSサイズは売り切れてしまい、残りはMサイズのみ。
こちらは色が二色。エンジとグレー、となってます。
このTシャツと、缶バッジニ点をセットにして3000円(税込み)+郵送料で販売いたします!
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劇場に足を運ぶことができなかった方、この機会にぜひ。
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2008.02.11
[ アクション研究会 ]
水野のブログを見たら、アクション研究会の稽古で大流血した人の話を
書いていた。
幸か不幸か、大流血の現場には私こと楠野さんは遭遇していなかったのだが、
もしその場にいたら口パクパクするしかできなかっただろう。
映画の世界で見る流血には血が騒ぐが、現実世界での流血は嫌だ。
固焼きそばの麺が固すぎて、歯茎に刺さって少し血が出ただけで30分ぐらいブルーになる。
大流血で思い出したのだが、このアクション研究会には映画監督も参加している。
水野美紀が出た「真 女立食師列伝 ?バーボンのミキ?」の辻本監督である。
辻本監督は、以前水野がブログに書いていた血だらけハードアクション映画
「ハード・リベンジ・ミリー」の演出もされており。
アクションの型を二人一組で稽古し、実際に流れでやってみて、それを辻本監督が
ビデオカメラに押さえてその場で確認・・・みたいなことをやってくださってる。
なるほど、アングルによってどう見えているかはアクションにとってとても重要なこと。
そういう意味で、本物の、しかもアクションめちゃくちゃうまく撮れる監督さんが
そこにいてくれることは、とてもとても有意義なことなのだ。
水野の話を聞く限り、「ミリー」も、なんだかとんでもないことになっているらしいので
とても楽しみだ。
「マイルドにしぬ」が水野美紀史上最変だとしたら、「ミリー」は水野美紀史上最激の
匂いがぷんぷんする。「さいはげ」と読まないでほしい。「さいげき」だ。
にしても、あの水野をも慌てさせた大流血とは、一体いかほどの血の出具合だったのだろうか。
水野と知り合って十数年になるが、ほんと、めったなことで「あわわわ」ってならない。
楠野さんのほうが年上だが、正直、くぐってきた修羅場の数が段違いなのだ。
楠野さんがふーふー言いながらイチ修羅くぐり抜けてる間に、
水野は8修羅ぐらいやっつけている。
もし背中にくぐった修羅場の数だけ猛獣のタトゥーを入れてたとしたら、
水野の背中は富士サファリパークみたいになっているはずだ。
楠野さんの背中はせいぜい近所のおばさんの猫屋敷だ。
ていうか、ほんとにあわあわしてたのだろうか。
今思い出したのだが、その後思いっきり「ミートソースが食べたい」って言ってたぞ。
大流血であわあわしてた人が食いたくなるかね、ミートソース。
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2008.02.09
[ アクション研究会 ]
ニコール・キッドマンの「アザーズ」を見ながら書いている。
新聞のテレビ欄に「アザーズ」ってあって、ぱっと見、アンタッチャブルの特番みたいに
見えてちょっとだけ面白かった。
前、水野が何かのイベントで「今、アクション研究会を立ち上げていて・・・」みたいな
話をしていたのを覚えている方もいるかと思う。いないかと思う。いるかと思うほうに
気持ちを寄せて話をすすめる。
「アクション研究会」と字で書いてしまうと、なんだかダメな大学生のサークルのようだが、
やっていることはなかなかに崇高だ。
簡単に言うと、定期的にアクションの稽古をやりながら、終わった後にみんなで
アクション映画のDVDを持ち寄ったり、現在公開中のアクション映画を見に行ったりして、
みんなでご飯を食べながらアクション映画について熱く語り合う、というものだ。
書いてみると全く崇高な感じが出なくて、何だかみんな暇なんじゃないかと思われる
恐れがあるが、集まっている人々は皆、忙しい中参加している。
映画監督もいるし、アクションを得意とする俳優さんもいるし、スタントマンもいる。
水野美紀はWOWWOWのドラマの撮影の合間を縫って参加している。
んで、その中に私、楠野さんもいる。
とは言っても、アクションの稽古部分はただ端っこで「おお?」「すげぇ?」とか言いながら
見ているだけで、もっぱら仕事は、当日みんなで見るアクション映画のDVDを持ってきたり
すること。
「子連れ狼 三途の川の乳母車」を持っていって「おお?」「すげぇ?」と
ひどく感動されるかたわら、「中国超人インフラマン」を持っていって、皆のリアクションが
ものすごく薄くて軽く凹んだりしている。ちぇっ。受けねーでやんの。
単純に、アクションの稽古っていうものをすごく見てみたかったので顔を出したのだが、
その後のアクション談義がとても面白い&有意義なので、
毎回ほぼレギュラーで行っている。
それにしても、初めて見るアクションの稽古はなかなかに興味深い。
こないだ、少し遅れて稽古場に行ったら、水野が相手に腕ひしぎ十字固めをかけられて
「いててて」と言っていた。
「いててて」って、それ普通に極まってんじゃないですか。
リアルに。折れますよ。女優なのに。
アクションの稽古にはさまざまな入り方があると思うが、
本当に極まったリアルな技の形をまず覚えることで、逆に撮影での危険を回避できる、
ということらしい。
なるほど。あくまで映画の撮影におけるアクションは、
「相手を本当に傷つけないこと=安全であること」を前提に、いかに「危険に見せるか」
「本物以上に迫力あるように見せるか」「美しく見せるか」が基本。
まず、危険を身体で知っておくことも必要ということか。
その後、逆に関節技のかけ方も習っていた水野。
あのー、普通に強くなっちゃうんですけど、水野さん。
リアルに、人の腕とか折れるようになっちゃうんですけど。
やだなぁ、今年のプロペラ犬の打ち合わせ、もめたら肩の関節とか外されたりして。
痛くて泣きながら「うううう、水野の言うとおりにするよぉ」って言うのかな、俺。
本物の強者は、優しさと慈悲の心を知っているはずだ。
むしろ水野が聖母のように優しくなっていることに期待したい。
プロペラ犬と共に、アクション研究会の今後にも注目していただきたい。
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2008.02.08
[ プロペラ犬のなかまたち ]
こまばアゴラに小指値の「霊感少女ヒドミ」を見てきた。
ハイバイの短編をリメイクならぬ小指値流にリミックスした作品なのだけど、
いやー、やっぱ面白かった!!!
今日は本編の後にハイバイ版のビデオの上映もあって、見比べることができたのだけど
「なるほどねー、これはリミックスだわ?」としか言いようがない。
たぶん、ハイバイ版をご覧になっている方も相当面白く見れるし、
見ていない方はなおのこと。
右脳も左脳も刺激してくれて、しかもちゃんと「面白い見世物」として成立しててほんとエライ。
自分らもがんばんなきゃなぁ?、と思う。
こないだ、水野お奨めの写真展「スティル アライブ」と、「文学の触覚」を
東京都写真美術館に見に行ったのだけど、
写真や文字との「遊び方」がちょっと小指値の作品を思い出させてくれて、
こちらも面白かった。
とくに「文学の触覚」は、文字(そのもの)を物質として一回俯瞰して、
遊び心で解体するような試みがあって、すごく刺激になった。
例えば、「物質」の「物」っていう漢字。
物。
物
物
物 物 物 物物物物物物物物物物物物物物物物物物物物物物物
なんだか、漢字がある瞬間に意味をふっと手離し、
別の奇妙な何かに思えてくる。
特に手書きの文字だとその「感じ」が顕著で、たまに自分は文字を書いて「意味」を
伝えることよりも「文字そのものを書く」という行為が好きなんじゃないかと思うときがある。
たまたま、それが「文字を使い、意味あるものに並べて何かを伝える」って
職業に就けたからとてもありがたいのですが。
うまくまとまんないのですが、
そんな「感じ」をきちんと「作品」に落とし込む労力を惜しんでいないのが小指値。
今回、リミックスという形になったことで余計そう強く感じた。
デビッド・リンチとか好きな人もはまるかも。
そんな感じ。
2008.02.07
[ 「マイルドにしぬ」 ]
シアターテレビジョンで3月にOAされる「マイルドにしぬ」の仮編集版が
上がってきたので、水野とともにチェック。
すでに相当なつかしい。
たった2ヶ月弱前のことだとはとても思えない。
年をまたいでいることもあるのだろうが、二人して見ながら笑うとかいうよりも、
なんだかじわーんと味わう感じ。
若干の編集ポイントをチェックし、今一度先方に返してほぼ「マイルドにしぬ」
オンエアバージョンは完成になるはず。
ちなみに、「編集」と言っても「水野がSEXSEX連発してるところにピーを入れる」
なんてな事ではなく、もっと微妙な微妙なところ。
今回は3台のカメラで舞台を押さえてもらってたのだが、
編集の仕方によって「見え方」が若干違うところがいろいろある。
例えば、どちらかが台詞を言っているとき、その「台詞を言っているほう」を映しているのか、
それとも「その台詞を聞いているほうを映している」のか、
あるいは「その二人の2ショットを映している」のか。
それ次第で、全然そのやりとりの見え方が違ってしまうのです。
例えば、水野が「SEX!」と言っている顔を押さえるのか、
「SEX!」と言われてただただ困惑している河原さんの顔を押さえるのか、
それとも、その二人の妙な距離感みたいなものを2ショットで押さえるのか。
まあSEXを例えに出すことも無いが、舞台を生で見ているときはお客さん一人一人が
自分の頭の中で自然にスイッチングしているカメラワークを、こちらで改めて
定義することになる。
そんな、ほんのちょっとした、でもすごく大事なあれこれの編集ポイントをチェックした。
舞台を生でご覧になった方はもちろん、
TVの画面で初めてご覧になる方にも楽しめるものにすべく、シアテレさんの協力を得て
ちょこちょこやっております。
お楽しみに。
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2008.02.04
[ 「マイルドにしぬ」 ]
うう、寒い。
あんまり寒いんで、BGV代わりに「デイ・アフター・トゥモロー」を見ながら
書いている。あれね、映画のほうね。猛吹雪とか異常気象で超寒波、とかのあれ。
一瞬で人が棒アイスみたいにパリーン、と凍っちゃったりするやつ。
画面の中のこいつらにくらべりゃマシ、と思えて心がほかほかする。いや、しない。
こないだお知らせした「マイルドにしぬ」のシアターテレビジョンでのOAについて。
3月のOAに向け、そろそろ仮編集版ができる、とのこと。
それを今度水野とチェックするのだが、よく考えたら本人はたぶん初めて
「マイルドにしぬ」を見るのだなぁ。出てたしなぁ。
記録用の映像は残っていて、これは本人も見ているはずなのだが、
一番後ろの卓のところから広い画でずーっと撮っているだけなので、
なんとなくの雰囲気しかわからない。マイクを立ててるわけでもないので、
聞き取りずらいところもあるし。あくまで全体の雰囲気を掴むだけのもの。
自分が舞台の上で演技しているところを自分で見る、ってのはどんな感覚なんだろう。
まあ仕事柄、今更どーもこーもないのだろうが、
普通の人は自分の声を録音した奴を聞いただけで
「うひゃああああ、誰だこれ気持ちわるっ!」
となるもので。
それが自分のビジュアルも伴った日には、その違和感たるや
そうめんの中に入っているさくらんぼの缶詰に匹敵する。違和だ。違和すぎる。
そういえば、あの「自分の声」の違和感は、
普段「自分の声」として聞いている音は、あくまで
「自分の体の中で響いた音」だから、というのを昔聞いたことがある。
違和感も何も、周りの世界の人々からすれば、
「おまえ自身がどー感じてるか知らないけど、おまえの声はそんな感じなんだから、
受け入れて、その声でなんとかしていけよ」
ってことだ。
違和ってるのはおまえだけだ、ということだ。
うーむ、そう考えると、そんな「違和」を自分の中で抱えつつ、
他者の耳やら目やらにアジャストしていく役者さんという職業は、なかなかに凄い。
だって、自分が今出した声の感じとか、その瞬間にどう聞こえているかは
絶対に自分自身ではわからないわけだから。
大体、楠野さんは自分の声のボリューム調節すらきちんとできない。
水野と話しているときに、よく「声がでかい」と注意される。
自分自身は全く声がでかいつもりはなく、というか子供の頃からむしろ
声が小さいと思っていたのだが、水野には3ヶ月に1回ぐらい注意されるのだから、
でかいのだろう。
で、「声がでかい」と注意されるたびに軽く凹む。
いい大人が、酔ってもいないのに、自分の声のボリューム調整すらしっかり
できてないのだ。何をかいわんやだ。カイワンヤだ。ロシア系だ。
しかも、今思うと「声がでかい」と注意を受けるときに限って、大したことを言ってない。
うう、恥ずかしい。大したことを言ってないのに、みんなに聞こえてるじゃないか。
しかし、自分ではいつ声がでかくなってるか、ぴんと来ないのだ。
これに対する対策はただ一つ、いつ、不特定多数の人に聞かれてもOKなように、
普段からすべて、大したことオンリーで会話を進めることだ。無理だ。疲れる。
大体、さっきから大したこと書いてないじゃないか。
一体、何が書きたかったんだ俺よ。なんかいいこと書くつもりじゃなかったのか。
声どころか、本業の文筆業でさえ、ボリューム調整できてないんじゃないか?
あ、でも自分の声に違和感を感じたことはあっても、自分の書いたものに違和感を
感じたことは無い。
面白いつまらないはその時々であるが、自分の書いたものは自分以上に自分らしい、
と思える。
なんだかよくわからない結論だが、それはそれで良し。