「その夜明け、嘘」続き

宮崎あおいさん主演の舞台「その夜明け、嘘」を見てきた話。
の続き。

終演後、関係者の方と軽い打ち合わせがあり、終えた後にその方と共に
演出の福原さんや吉本菜穂子さん、さらにお客さんとして来場していた方々の
飲み会に合流した。
その場にいる方の半分以上が何らかの形でプロペラ犬を通じて知り合いになった
方で、しかもほんわりした空気を醸し出す方ばかり、という飲み会ですごく居心地が
良かった。

福原さんは本番後もずーっと細かな演出プラン変更の打ち合わせをしてから
飲み会に参加していた。

「ジャージマン」のときもそうだったのだけど、
演出家・福原さんはほんとにあきらめない。
少しずつ少しずつ、日々の稽古?本番の中から成果と課題を見つけ、
物理的にできうる範囲を見定めて修正を繰り返す。
今回も、第一稿自体は先に上がっていたものの、稽古を受けた上で
だいぶ書き直したり、ぎりぎりまで修正を施していたらしい。
ほんのちょっとした修正で全体が見違える瞬間が確かにあって、
これが演劇の演出なのだなぁと感嘆した。

「ジャージマン」の場合は私の脚本を演出していただいたので
さらに大変だったと思う。
かゆいところに手が届かない、みたいな思いをされたのでは、と。
私は、脚本家としてはまだまだ未成熟で、
演出家に毎回、経験値の高い方をお呼びすることで学ばせてもらっている
ことも多い。
稽古で初めて演出家と演者を通して気づくことの何と多いことか!
お客様から貴重な時間とチケット代をいただいて提供するものであるからして、
そうやって、作品としての質を少しでも高めつつ、それと同時に自分の
経験値を貯めていく感じだ。

そーいえば、来週、18日からは旗揚げ公演に出演された河原雅彦さんの
ライフワーク的ユニット「真心一座」の第三回公演も始まる。
真心では河原さんは「演出」としての比重が大きい。
第2回公演は本当に面白くて、2回見に行ってしまった。
外部で演出するのとはまた違った、河原演出の一番濃い部分が見られるはずで、
今回もまたきっと妥協してないのだろうなぁと思う。

プロペラ犬をご覧になった方から、
「楠野さん、演出はやらないんですか?」
と聞かれることも多い。
将来的にはどうだかわからないけど、少なくとも当分は無い。

もともと
「自分は書くだけ、後は人に任せてしまうのが好き」
という性格もあるのだけど、
福原さんや入江さんや河原さんや、それにいのうえさんやKERAさんや松尾さんや
倉持裕さんや宮藤さんや・・・・その他、演劇界にあまた存在する演出家の方々の
スキルの圧倒的高さを見てしまったら、簡単に「演出やりたい」なんて言えない。
失礼だ。おこがましい。

まあ大体、それ以前に脚本+プロデュースだけであっぷあっぷだし。

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「その夜明け、嘘」を見た!

宮崎あおいさん、六角精児さん、吉本菜穂子さんの3人芝居
「その夜明け、嘘」を見てきた。

「ジャージマン」で演出をお願いした福原充則さんが今回は脚本+演出。
てなわけで青山円形劇場に福原さんワールドが炸裂していた。

たぶん、お客さんのほとんどが小劇場のお芝居を見るのが初めて、
みたいな層なのかもしれない。劇場に足を踏み入れた瞬間、あちこちから
「(舞台が)近い!」「(想像より)ちっちゃい!」という声が聞こえてくる。
円形劇場はなおさら「すぐそこに役者がいる」小屋なので、
それだけでもちょっとした感動があるようだ。

そんなお客さんに、
福原さんの演出は相当にびっくりの連続なのではなかろうか。
数々の「そこをそう来ますか!!!」演出の中を駆け抜ける
宮崎さんはとても新鮮だった。

まだ本番中なので中身に関しては伏せますが、
個人的には吉本菜穂子さんの演じるあるキャラがツボだった。
吉本さんはほんと、どの芝居を見てもとっても印象に残るなぁ。

そーそー、パンフレットには水野から福原さんへのコメントも載ってますので、
行かれる方はそこもぜひ注目を。

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ラーメンズの漫才

まず、昨年10月から延び延びになっている
月イチトークイベント「プロペラ犬ひみつ集会」ですが、
どーも今月中も難しそうでございます。
申し訳ありません!

いや、単純に、水野がただ今ドラマの撮影に入ってしまって
うまいことスケジュールが空かないのです。
ドラマって、ほんと、2?3日前までスケジュールが見えないのですよ。

3月にはなんとか、と思っておりますのでしばしお待ちを。
まだまだお呼びしたい方もいらっしゃいますし。

さて、そんな水野とドラマの間を縫ってメールと電話で軽い打ち合わせ。
ただ今検討中の、プロペラ犬のある企画のことについて。
その他にもこちょこちょと水面下でプロペラ犬は企画考え中。
20個考えて1個成立したら御の字、のこの世界、
そのうち、何かひょっこり浮上するやも。

昨日はひっさびさに会った事務所の後輩の作家と焼肉屋で飲み。
10年以上前・・・もっと前だったかな?
ニッポン放送でキャイ?ンの天野のワイド番組を立ち上げるときに、
見習いとしてついてもらった作家で(彼にとってはこれが初の仕事)
とても気の回る、放送作家として優秀な人だったので
その後もいろいろ番組についてもらった。

そんな彼が結婚するというので、久々に会った。5?6年ぶりかも。
懐かしい話に花が咲いたのだけど、そこで初めて知った事実。
その彼は、もともと学生時代にお笑い(出るほう)をやっていたのだけど、
その当時、ラーメンズとよく一緒のステージに出て、仲が良かったらしい。
片桐さんにセットの絵を描いてもらったりもしたそうだ。

ラーメンズ、特に片桐さんは水野と舞台での共演以来、
何かとウチとのお付き合いが続いている。
うちの公演も2年続けて見に来てくださった。
こんなとこで繋がるもんかねぇ・・・と感心。

その彼の話によると、当時のラーメンズは【漫才】だったのだそうだ。
へぇ?、である。これ、ファンの人には当たり前の話なのかな。
私もどっかで「昔、漫才をやったこともあるらしい」とは聞いてたけど、
こんな近くに当時を知る人がいたとは。

ラーメンズ、とにかく当時から、仲間内では飛びぬけたセンスで
一目置かれてたらしい。
見たかったなぁ、ラーメンズの漫才。

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オーケン?「ドラゴンボール」ハリウッド版

プロペラ犬の書き物で悶々としていたら、
いつの間にか大槻ケンヂ氏、ことオーケンの誕生日が過ぎていた。2月6日。

メールでおめでとーを言うつもりだったけど、
完全にタイミングを逸したのでこの場でおめでとー。43歳かぁ。
俺は6月で42歳だよ。お互いびっくりだ。

オーケンと私は20年来の不思議な縁だ。
もともと、水野と知り合ったのも13?4年近く前、オーケンが水野と知り合い
だったのがきっかけだし、
水野が今年念願の出演を果たすナイロン100℃には、オーケンの盟友ともいえる
KERAさんがいて、筋肉少女帯元ドラマーのみのすけさんがいる。
プロペラ犬の制作協力をしてくださっているキューブには、筋肉少女帯のギタリスト、
本城氏が所属している。「ジャージマン」の稽古のとき、稽古場の片隅に
ギターアンプが置いてあって、誰のかと思ったら本城さんのだったりもした。

昨年、オーケンの小説「グミチョコレートパイン」が映画化されたけど、
監督がKERAさんだと聞いて「なるほど、その手があったか・・・」と深く頷いた。
実際、拝見した映画は、オーケンの小説版とはまた違ったKERAさんの目線が
入っていて、面白かった。
小説と映画版の、とても幸福な出会いのパターンだと思う。

それで思い出したのだけど、
早くも各所でいろいろ話題のハリウッド版「ドラゴンボール」。
最新の予告編がこちらにアップされてたのだけど、これがいろんな意味で面白かった。

すでにニュースにもなってるのだけど、
予告編の冒頭に、原作の鳥山明氏のコメントがついてるのだ。
それ自体はさして珍しいことではないが、その内容が興味深い。
詳しくは予告編で実際に見てもらいたいが、
なんつーか、ネガティブなのだ。

たぶん、すでに各所でおきつつある
「これがドラゴンボールか?」「銃を撃つな!銃を!」
みたいなネガティブ反応を踏まえてのものなのだろうけど、
私なんかは逆にこれでとても見たくなった。

もともと私は「ドラゴンボール」自体、読んでたり読んでなかったり。
とても思い入れを持って作品論を語れるレベルにはないので、案外
傍観者的にことの成り行きを見ている。
これが例えば「モンティ・パイソンを日本で映像化します!」なんてことだったら
あれもこれも言いたいことだらけになるんだろうけども。

今までいくつか、原作物の映画の脚本化に関わったことがある。
個人的には、原作物を映画化(脚本化)する際には、
原作のディテールをどんなに変えても、
「そこだけは変えちゃいけないだろ?そこ変えたらこの原作を使う意味無いだろ?」
ってポイントが2?3点あって、そこさえ踏まえていたらOKかな、と思っている。
もちろんこれは、原作者サイドから
「自由に変えてもOKですよ」というお許しが出た場合、の話。
それが原作物を取り扱う最低限の礼儀かなーと思っている。

映画を見る一観客としても、映画は映画のできることがあるのだから、
ディテールの違いにはあまりこだわらない。
むしろ「どー変えたのか」「なんでそーしたのか」を積極的に楽しみたいほうだ。

とはいうものの、ハリウッド版ドラゴンボールは、
そんな私も見てて「どんなことになってるんだろう?」と
いろんな意味でドキドキさせる要素でいっぱいだ。
一番ドキドキするのは、主人公が予告編で見る限り、
「カ?メ?ハ?メ?ハ?!!!」
って案外ちゃんとした発音で言えてるあたりだ。
なんだかわからんが、ドキドキする。

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悪夢

悪夢を見た。

といっても、基本的に見る夢の90%は悪夢で、
そのまた90%は「追いかけられる」「怖い目に遭う」「何かが間に合わない」
んで結局「起きたら泣いてる」みたいなことになっているので、
悪夢自体はさほどのトピックスではない。

しかし今回の悪夢は違った。
誰か、なんかわからんけどものすごく嫌いな奴(誰か全く覚えてない。
ただ強烈な嫌悪感のみが残っている)にすごく嫌なことをされ、
取っ組み合いになり、
相手の上あごを歯茎もろとも噛み千切る
という夢だった。

・・・大丈夫か俺?普通じゃないぞ。
大体、上あご噛み千切るってことは大嫌いな奴に一度キスしてるじゃないか。
他にいくらでも有効な攻撃方法あるだろう。

まあたぶん、「グラップラー刃牙」で今やっているジャック・ハンマー対ピクルの
壮絶な噛み付き合戦の影響をそのまんま受けたのだろうけど。
にしても、どーかと思う。

さすがに目覚めてから凹んだ。
ふと気づいたら、枕元に大事にかかっていたドリームキャッチャー
(おみやげに貰ったもの。悪夢から守ってくれるというネイティブアメリカンのお守り)
がいつの間にか床に落ちていて、それはそれで凹んだ。
頑張ってよキャッチャー。
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水野美紀、切り刻まれ中

「ハード・リベンジ、ミリー2」の辻本監督のブログを見たら、
ただ今絶賛編集中のご様子。

「編集が映画作りの一番楽しいところ」って、誰か言っていたなぁ・・・。
北野武監督だった気がする。
確かに以前、イベントで流す水野のバカな映像をうちのPCで編集したのだけど、
ほんと、たった15分ほどの、子供の遊び程度の編集作業でもすごく楽しかった。

映像製作の過程の全てを知っているわけではないけど、
脚本作りに関してはとてもとてもとても「楽しい」とは言えない。
撮影現場もちょこちょこ見るが、「楽しそう」と気楽には言えない。

しかし、編集には
すでに手にしたものを、自分の好きに切ったり貼ったり入れ替えたりして
改造できる、ちょっとしたおもちゃ感覚がある。
脚本作りは基本、自分自身とイヤになるほど向き合わなければいけないし、
脚本直しでは、客観視できないと「自分自身が否定されて切り刻まれる感覚」
に襲われてしまう。
撮影作業は、現場に携わるさまざまな人のイメージの刷り合わせの最終段階で、
何よりもまず「コミュニケーション能力」が問われる。
まずは「全体ありき」の世界だ。

編集が楽しいのは、
ちょっとした神様感覚になれるからかなと思う。
小さな箱庭(映像素材)のルールを、自分の指先一つで決めることができる。
間を作る、間を刻む、意味の繋がらない二つのショットを連続させることで意味を生む、
逆にわかりやすすぎる部分を曖昧にする・・・自由自在だ。
そーゆー意味では脚本書きもプチ神様なのかもしれないけど、
どっちかというと、(私の場合は)
「書いたものを、他人の身体と脳を通してアウトプットする」
という感覚で、とても「全てをコントロールする」っていう感じにはなれない。
そこに生まれるずれも含めて、脚本の面白さなんだろうけど。

こないだ「007 慰めの報酬」を見たのだけど、
アクションシーンの肌触りが「ジェイソン・ボーン・シリーズ」
に酷似していて、調べてみたら編集がボーンと一緒だった。
ちなみに編集は二人いて、一人は監督がずっと一緒にやっている人、
もう一人が「ボーン」の人なので、たぶん、ドラマの部分と
アクションの部分で編集を分けたのではと想像する。
シリーズ全体の方向性としてああいうものを目指そう、というPの
判断の上でなんだろうけど、はっきり言って監督や脚本家の匂いよりも
はるかに濃く編集の匂いが出ていて、なるほどなぁと。

自分で編集もされる辻本監督だから、今かなり楽しいだろうなぁ。

あ、同じ映像でもTV(ドラマもバラエティーも)は、
「秒単位で決められた尺(時間)に収めた上で、数字の上がり下がりを
考えなきゃいけない」っていう、誰も逆らえない神様がその上に存在する
ためか、あんまり楽しそうに見えないなぁ。
たまに覗いてみると、ほんと、部屋中に倦怠感が漂ってるし。

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舞台版「しとやかな獣」

新宿の紀伊国屋ホールまで「しとやかな獣」を見に行った。
玉置さんも出ている、舞台版。
演出はケラリーノ・サンドロビッチ氏。KERAさんです。

以前にも書いたとおり、傑作と名高い映画版を見てから行ったのだけど、
舞台版もとても面白く見ることができた。
どーなんだろう、映画版を見た上でわかる「へぇ?、あそこをああいう風に・・・」
の面白さと、映画版を見ずに初めてこの物語に触れて「なんだこの家族、おもしれー」
の面白さと、両方捨てがたい。

ただ、もし映画版を見ずに舞台版から見るならば、
この物語が今からざっと45年以上も前の昭和の日本の物語であることだけは
頭に入れてから見たほうがいいかも。
そうすると、いろんな意味で発見や思うことがあるかと。
あ、そーいえば玉置さんは昭和のハンサム顔だ。
私の中では「昭和のハンサム」といえば、加藤剛と玉置さんだ。あと田中健。

東京は8日まで、まだ当日券とかはあるのかな?たぶん。
その後、地方公演もあるみたいですよ。たぶん。

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モンティ・パイソン・チャンネル

昨年末から、モンティ・パイソンがYOUTUBEに自分たちの
公式チャンネルを持って、今までの数々のコント作品をアップしている。

これほんとに凄いと思う。無料であの傑作もこの名作も見放題なのだ。
当然、今までもYOUTUBE上に勝手にアップされていた動画は何万件も
あるのだけど、当然画質が良い。何より後ろめたさが無い。

モンティ側は
「今までYOUTUBEに勝手に動画を投稿した連中よ、
おまえらのことはちゃーんと何から何まで調べてるぞ!
我々は恐ろしくて口に出来ないような方法でおまえたちに
仕返しすることだってできるのだ!
だがしかーし!
我々は度を越して心が広い人間である!
君たちは動画を見たらつまんないコメントなんか書かなくても良い、
ただリンク先に行って、我々のDVDを買ってくれるのなら、
だいぶ我々の心の痛みは和らげられるだろう」

みたいな声明(だいぶ短縮、かなり意訳)を出していて、
実際、アマゾンのDVD購入サイトにリンクされてたりするのだけど、
このチャンネル設置以降、DVDの売り上げが数十倍に上がったという。

かーーーーーーっこいいっ!!!!

作品のクオリティへの絶対的な自信と、
マジ切れせずに笑いで返すその器のでかさ、
しかも未だにゲリラ的手法を用いていて、
それでお金を産むのだから素晴らしい。
さうがモンティ・パイソン。かなわない。

↓こちらがモンティ・パイソンの公式チャンネルの入り口。
すでに50本近くのコントが見られる。

どれを見てもすげーなーとしかいいようのないネタなんだけど、
字幕がないので、初めて見る人には会話物のネタは厳しいかも。
字幕が無くても面白いのはこーゆーやつ。
映画「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」の1シーン。
通称「黒騎士」のシーン。

こんなんなってもとにかく負けを認めない黒騎士。
こーゆー、「言い張る」ネタは大好き。

「内村さまぁ?ず」

「内村さまぁ?ず」の新しいDVDが出た
しかし、どこ行っても売り切れでなかなか手に入らない。
アマゾンとかで買えばいいんだろうけど、早く手に入れたくてあちこち
歩いて、結局まだ手に入れてないのだから本末転倒だ。

以前、「バナナマンの作品は手元において何度も見たくなる」というような
ことを書いた記憶があるのだけど、さまぁ?ずさん関係のDVDもあらかた
持っている。
特に「内村プロデュース」から「内さま」の中でのさまぁ?ずさんが本当に好きだ。
面白い、かつ楽しそう。

「楽しそう」なのと「面白い」ことは決して一緒ではない。
例えば学生時代のクラスメートでも、クラスの人気者は「楽しそう」な奴だが、
えてして冷静に見ると、そいつが「面白い」とは限らない。
別にどーっちゅーことない事を、でっかい声で言ったもん勝ち、みたいなとこがある。
本当に面白い奴は、教室の隅っこで一人、校庭をぼーっと眺めながら
「早く夜にならないかな?」などと思っている奴だったりする。

ただ、TVやラジオではこの「楽しそう」「楽しげな感じ」をいかに演出するかが
数字に響く、みたいな思い込みがある。
バラエティの場では、「楽しそうに見えない人」が損をしたりする。
ものすごく面白いのに、楽しそうに見えないだけで評価が不当に低く見られたりする
芸人さんもいっぱいいる。
楽しそうに、というか、「皆とはしゃげない」というか。
コントや一人喋りや大喜利やったらすっごい面白いのに。

「楽しそう」を演出するために、
TVではお客さんの笑い声を後からかぶせたりするし、
ロケものではスタッフが率先してゲラゲラと高い声で笑ったりする。
ラジオの場合はもっとはっきりと、「スタジオの中にいる作家の笑い声も含めて番組」
というのが当たり前になっている。

私も、まだ駆け出しの頃、怖いディレクターに
「スタジオの中に入ったら笑え!何のために入ってると思ってんだ!」
と叱られたこともあった。
とはいうものの、あまり露骨に笑いすぎるのもリスナーが冷めてしまうのではないか
と内心思っていて・・・というか、自分がそういうへそ曲がりな性格なので、
「笑うけど声は出さない」
という、間をとった形にしたりもした。
なかなかに気持ち悪い。

しかし、時が過ぎ、昨年の「ジャージマン」の稽古のとき。
ある理由で、稽古中の様子をずっと録音していたことがあった。
私としては、だからといってどーと言うわけではなく、普通に立ち会っていたつもりで。

ところが、その模様を聞いてみると、
まあこれが、私が笑いすぎなのだ。
ほぼ何でもかんでも笑っている。でかい声で。
我ながらほんっっっっっっっっとに「なんだこいつ?」と嫌になった。

もちろん、こちらとしては稽古の場なので、誰に見せるわけでもないから
「面白いと思ったら笑う」だけなのだけど、
私が今笑ったことで、何か一つ、役者さんの中での発見や
疑問といった、稽古を進めるのに必要な繊細な何かを
「受けてるからいいや」と押し流してしまったのではないか、と心配になった。
ま、設楽さんにしても玉置さんにしても、もちろん水野も、そんなことで
揺るぎはしないだろうけれども。

面白さを追求する作業と言うのは、かようにストイックなもので、
例えば「内村プロデュース」でも、オンエア上は
「楽しそう」が編集によって演出されているが、
現場では大喜利企画などのときに、皆が「うーん・・・」と考え込んで
黙り込んでしまう、なんていう緊張の時間がよくあったらしい。

そんな「うーん・・・」の時間の上に、「面白い」かつ「楽しそう」がよーやく
成立しているわけで、そこらへんを履き違えてはいけないよなぁ、と
反省を込めて思う。
あの「楽しそう」は、緊張から開放された部分と、
大きな緊張に立ち向かおうとして異常なテンションになっている部分を
ピックアップしてるから、結果としてそう見えるんじゃないかなぁ、と。

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「マンマ・ミーア!」を見た

「マンマ・ミーア!」を見てきた。
もちろん今公開中の、映画のほう。

映画としてどーこーとか、構成がどーこーとか、脚本がどーこーとか、
あんまり言っても意味ない映画なよーな気がする。
単純に、すごく楽しいからいいんじゃないか、としかいえない、
そんな映画だ。

これたぶん、世代的なこともあるんだろう。
私・楠野(41歳)が生まれて初めて買った洋楽のレコードが
ABBAの「ダンシング・クイーン」なのだ。たしか10歳ぐらい?

それにしても「ダンシング・クイーン」っていう曲は!
どこを切ってもサビ、みたいなメロディーで、誰かが
「ダンシング・クイーンのメロには脳内から変な分泌物を出させる作用がある」
って書いてたけど、本当にそうだと思う。

当時の洋楽好きの中でも、
クイーンやKISSが好きなのはちょっととんがったティーンエイジゃー。
ABBAは、ビージーズと共にロックにいきなり食いつけない人のための
「洋楽入門編」という立ち位置で、老若男女誰問わずホントに人気があった。
例えば「ドリフが好き」「キャンディーズが好き」っていうのと同じ温度で
「ABBAが好き」と言える感じ。今の洋楽ではちょっと見当たらない。

でまあ、「マンマ・ミーア!」でもやっぱり肝になるシーンで
「ダンシング・クイーン」が歌われるのだけど、
なんつーか、この曲が始まった途端に、周りのお客さん(主に30代後半?40代。
女性多し!)が心の中で感涙にむせび泣いている空気が伝わってくるのだ。
いやほんと、家でDVD見てたら絶対踊ってるだろ、という空気。

たぶん、ミュージカルとしてはもっと洗練された映画もたくさんあるんだけど、
この素朴さが、ABBAの曲と化学反応を起こしたんだろーなぁ。
あまりに素朴な、どストレートな演出が続くので、基本的にはお話し自体は
ほぼ気にならなくなってくる。あとはただABBAに身をゆだねるのみ。
音楽の力はかように凄い。
物作りを生業とする人間のはしくれとしては、とても羨ましい。

「ジャージマン」でも、音楽担当の西山さん(ブルドッキングヘッドロック)が
作ってくれた「片山マンのテーマ」がとにかく印象に残っている、という
意見をいくつか見た。あれは確かに名曲だ。
聞いた人全員が5秒でしょんぼりしてしまうのだ。恐るべし音楽の力。

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