2010.08.31
解散無用
[ 日々のあれこれ ]
最近また「新・必殺仕置人」をDVDで見直している。
こないだ出た「映画秘宝」に載っていた火野正平氏のインタビューがとても
カッコよかったもんで、自分の中でまた「新・仕置人」熱がぐぐぐっと
上がってしまったのだ。
前も書いたような気もするが、
「新・必殺仕置人」は時代劇のみならず、日本のTVドラマの中で
最も好きな作品だ。
特に最終回「解散無用」に関しては、映画とか演劇とか、あらゆるジャンルを
含めた中でも十本の指に入る「俺の好きな物」と言っていい。
「必殺」というと後期のバラエティ&イケメン路線のほうが数字も高く、
一般的には
「中村主水とせん・りつ母子のコント的家庭シーン」とか
「中条きよしが三味線の糸でかっこつけてピン!」とかのイメージの
ほうが強いと思うのだが、
必殺シリーズ好き、中でも三十代後半以上の男子にとっては
この「新・仕置人」が圧倒的に支持が高いと思う。
(放送は1977年。その後も何度も再放送していた)
何がどうって、好きなところ凄いところを挙げるときりがないのだけど、
一口に言うのなら
映画のバットマンシリーズに匹敵する
「ダークヒーローものの極み」だと思う。
レギュラーキャスト陣全員素晴らしいのだけど、
中でも白眉は「念仏の鉄」を演じる山崎努氏。
つーか山崎努氏演じるところの「念仏の鉄」。
どっちでも良いが、とにかく私は子供の頃、こんな大人になりたかったのだ。
さっき調べてわかったのだが、「新・仕置人」で鉄を演じていた頃の
山崎努氏は四十手前。なんと俺は鉄より年上になってしまっていた!
驚愕!誰にも理解されないと思うがこれは驚愕の事実!
てっつぁんが年下かよ!!!
そんな受け入れがたい衝撃に嘆きつつも、久々に見た
(たぶん十五、六回は見ている)最終回「解散無用」。
やっぱり泣いた。
ラスト15分ぐらい、よだれが垂れるほど泣いてしまうのだ毎回。
こんな完璧な最終回は無いと思うし、
いわゆる「男泣き映画」として史上最強クラスだと思う。
大体、主人公の一人は手を焼かれた上に相打ちで死亡、
もう一人は拷問の末に廃人、
更に主人公たちのボスも惨殺、
なんてゆー最終回、ちょっと無い。
今改めて見ると、
必殺シリーズ全般で見事な映像美はもちろんなのだけど、
この「解散無用」に関しては脚本も見事だと思う。
ドラマ、実質47分程度でレギュラーメンバー全員の思いと行く末を
きっちり描ききり、もちろん「殺しのシーン」というオイシイ場面も
最大限に盛り上げた上、あまつさえ中村家のコントシーンもちゃんと
入れているのだ。しかも物語の流れに必要なシーンにして。
こーゆーのが「プロの仕事」だと思う。
そしてこの作品は、
先日亡くなった名優・佐藤慶氏(悪役)VS山崎努氏、
という日本映画界屈指の「夢の対決」がたっぷり堪能できる作品でもある。
そして更に気づくのだ。
藤田まこと氏ももうこの世には存在していないのだ、ということを。
ああ、またもう一回見てしまいそうだ。