2009.02.04
[ お笑い ]
「内村さまぁ?ず」の新しいDVDが出た。
しかし、どこ行っても売り切れでなかなか手に入らない。
アマゾンとかで買えばいいんだろうけど、早く手に入れたくてあちこち
歩いて、結局まだ手に入れてないのだから本末転倒だ。
以前、「バナナマンの作品は手元において何度も見たくなる」というような
ことを書いた記憶があるのだけど、さまぁ?ずさん関係のDVDもあらかた
持っている。
特に「内村プロデュース」から「内さま」の中でのさまぁ?ずさんが本当に好きだ。
面白い、かつ楽しそう。
「楽しそう」なのと「面白い」ことは決して一緒ではない。
例えば学生時代のクラスメートでも、クラスの人気者は「楽しそう」な奴だが、
えてして冷静に見ると、そいつが「面白い」とは限らない。
別にどーっちゅーことない事を、でっかい声で言ったもん勝ち、みたいなとこがある。
本当に面白い奴は、教室の隅っこで一人、校庭をぼーっと眺めながら
「早く夜にならないかな?」などと思っている奴だったりする。
ただ、TVやラジオではこの「楽しそう」「楽しげな感じ」をいかに演出するかが
数字に響く、みたいな思い込みがある。
バラエティの場では、「楽しそうに見えない人」が損をしたりする。
ものすごく面白いのに、楽しそうに見えないだけで評価が不当に低く見られたりする
芸人さんもいっぱいいる。
楽しそうに、というか、「皆とはしゃげない」というか。
コントや一人喋りや大喜利やったらすっごい面白いのに。
「楽しそう」を演出するために、
TVではお客さんの笑い声を後からかぶせたりするし、
ロケものではスタッフが率先してゲラゲラと高い声で笑ったりする。
ラジオの場合はもっとはっきりと、「スタジオの中にいる作家の笑い声も含めて番組」
というのが当たり前になっている。
私も、まだ駆け出しの頃、怖いディレクターに
「スタジオの中に入ったら笑え!何のために入ってると思ってんだ!」
と叱られたこともあった。
とはいうものの、あまり露骨に笑いすぎるのもリスナーが冷めてしまうのではないか
と内心思っていて・・・というか、自分がそういうへそ曲がりな性格なので、
「笑うけど声は出さない」
という、間をとった形にしたりもした。
なかなかに気持ち悪い。
しかし、時が過ぎ、昨年の「ジャージマン」の稽古のとき。
ある理由で、稽古中の様子をずっと録音していたことがあった。
私としては、だからといってどーと言うわけではなく、普通に立ち会っていたつもりで。
ところが、その模様を聞いてみると、
まあこれが、私が笑いすぎなのだ。
ほぼ何でもかんでも笑っている。でかい声で。
我ながらほんっっっっっっっっとに「なんだこいつ?」と嫌になった。
もちろん、こちらとしては稽古の場なので、誰に見せるわけでもないから
「面白いと思ったら笑う」だけなのだけど、
私が今笑ったことで、何か一つ、役者さんの中での発見や
疑問といった、稽古を進めるのに必要な繊細な何かを
「受けてるからいいや」と押し流してしまったのではないか、と心配になった。
ま、設楽さんにしても玉置さんにしても、もちろん水野も、そんなことで
揺るぎはしないだろうけれども。
面白さを追求する作業と言うのは、かようにストイックなもので、
例えば「内村プロデュース」でも、オンエア上は
「楽しそう」が編集によって演出されているが、
現場では大喜利企画などのときに、皆が「うーん・・・」と考え込んで
黙り込んでしまう、なんていう緊張の時間がよくあったらしい。
そんな「うーん・・・」の時間の上に、「面白い」かつ「楽しそう」がよーやく
成立しているわけで、そこらへんを履き違えてはいけないよなぁ、と
反省を込めて思う。
あの「楽しそう」は、緊張から開放された部分と、
大きな緊張に立ち向かおうとして異常なテンションになっている部分を
ピックアップしてるから、結果としてそう見えるんじゃないかなぁ、と。
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2009.01.04
[ お笑い ]
「お笑いドリームマッチ」を見た。
M1とかとはまた全然違った意味で、ドリームマッチは毎回とても興味深い。
ネタそのもの以上に、コンビの相方を決めるフィーリングカップルの
部分と、新コンビでのネタ作りパートがすっごく気になるのだ。作る側としては。
前も書いたが、お笑いの場合はライブDVDでもネタ作りや稽古の部分は
特典映像に入れていないことが多い。
お笑いは「一生懸命練習しました感」が出てしまうと
途端に笑えなくなるからだと思うけど。ま、そりゃそーだ。
そんなわけで、各芸人さんのネタ作り部分の、ほんんんんの触りではあるが、
覗き見できるのがとっても面白い。
なんせ非常事態なので、それぞれの芸人さんの「核」の部分が出ざるをえない、
というか。
大竹さんの書いたネタはやっぱりさまぁ?ずで、(相方はブラマヨの小杉さん)
設楽さんの書いたネタはやっぱりバナナマンなのだ。(相方は蛍原さん)
お二人とも、きっちり「どんなに困っても、この形に落とし込めばすべることは無い」
っていう形を持っていて、こーゆー非常時にはそこにきちんと合わせてくる。
特に大竹さんは、「何を考えているかわからない謎の訪問者」っていう
絶対の必殺パターンを持っていて、今回もそこに合わせてきた。
面白かったのは、宮迫さんとホリケンさんのコンビが、
雨上がりでもネプチューンでもない形になっていたこと。
これはこれですっごく面白かった。
あえて言うなら「ホリケン」っていうジャンルをきっちり宮迫さんが回した
感じで、宮迫さんのお笑いスキルの高さに改めて敬服。
あと、次課長の井上さんがウドちゃんを完璧に回してたのもすごかった。
カンコンキンで見ててもそうなんだけど、ウドちゃんは強く突っ込みすぎると
実は面白さが減っちゃう、案外デリケートなお笑い爆弾なのだ。
井上さんは、こないだのやつでもエドはるみっていう飛び道具をすごく
うまく活かしていて、コント作家(演出家)として相当にすごいと思う。
にしても、松本さんと内村さんのネタがひっさびさに見れたのは
単純に嬉しかったなぁ。「夢で?」以来、ざっと20年ぶりだとか。
それがまた、ほんと、舞台のコントじゃなく、「TVのコント」って感じで嬉しかった。
ニュアンス伝わるかなぁ。TVのコント。ちゃんと作ったTVのコント。
5分ちょいのネタなんだけど、きっちり構成が入れ子構造になってて、
出てくる人物の、その前後のことを想像させるネタ。面白かったなぁ。
あとちょっと、泣きそうになった。
お笑い芸人としてかっこいいなぁ、って思って。
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2009.01.02
[ お笑い ]
あけましておめでとうございます。
まずは2009年ももろもろよろしくお願いいたします。
って書いたら、「ももろもろ」って部分がすごく気持ち悪い。
ももろもろ。地方の、すんごい甘いお菓子の名前っぽいな。
食べたらぽろぽろこぼれそうなの。
朝から晩までお笑い番組をほとんど見っぱなしで過ごす。
今も「ケータイ大喜利」を見ながら。阿藤快さんネタ、本当に面白い。
一人で声出して笑う。
大晦日の「ガキ使」特番はさすがに面白かったのだけど、
今年の正月お笑い番組で嬉しかったのが、
「爆笑ヒットパレード」で
コント赤信号さんがネタを披露したこと。なんと20年ぶりらしい。
ネタは(我々世代には)おなじみの暴走族ネタ。
「待たせたな」って、リーダー(渡辺さん)が出てくるやつだ。
いやほんとなつかしい。てか、リーダー、緊張で肝心の「待たせたな」を
忘れちゃったのだけど。それも含めて面白かった。
実はほんっとに昔・・・それこそ20年ぐらい前に、
ニッポン放送で渡辺正行さんのラジオ番組の構成をやってたことがある。
「渡辺正行のブンブン大放送」だ、書いてて思い出した。
確か、まだ20歳ちょいで、初めてメーンで番組をやらせてもらったのが
その番組だったもんで、非常に印象に残っている。
最初は先輩の作家の下についてた見習いだったのだけど、途中、諸所の
事情で急にその先輩が抜けることになり、急にメーンにされて
おろおろしたのをよく覚えてる。
俺はあの頃からおろおろしてたのだな、と、今なんだか感慨深い。
番組の中には、いかにも深夜番組って感じのエロ電話コーナーとかも
あって、応募してくださった女性に本番前、電話でエロの指導をしなければ
いけなかった。僕が。俺が。
確か、こっちが用意した普通の台詞を、いかに思わせぶりにエロく言えるか、
みたいなコーナーだった気がする。
見ず知らずの女性に、電話口で
「そこはもう少しセクシーに・・・」
「こう、舌ったらずな感じで、『ねぇええっん、かけてっえぇえん』っていうふうに・・・」
とか指導をしなければいけない。
つらかったす。
「俺はこの世界に向いてないんじゃないか?」と真剣に悩んだものだった。
メーンパーソナリティーの渡辺さんは、とても周囲に気配りのできる方で、
当時から東京お笑い界の兄貴ぶん的存在だった。
若手のお笑いを集めてライブを開き、才能を発掘されており、
当時からの名残で、東京のお笑い界で「リーダー」と言えば
渡辺正行さんのことなのだ。
バナナマンの二人も、未だにリーダーと呼んでたはず。
当時、渡辺さんは若手のお笑いをラジオの現場にも連れて来ていた。
バナナマンファンの方には周知の事実だけど、設楽さんももともと
渡辺さんの下で修行をしていたのだ。
ただ、設楽さんが渡辺さんの下につくことになったのは、番組終了後なので、
当時の自分は、設楽さんとはわずかにすれ違い。
とはいうものの、縁といえば縁。と思うようにしている。
縁が、20年越しでぐるっとめぐって円になったのだ、とか中途半端に
まとめてみようかな。
※ ※ ※ ※
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2008.10.05
[ お笑い ]
「キング・オブ・コント」を見た。
結果に関して一応書いておくと、
Aブロック1位のバッファロー吾郎さんとBブロック1位のバナナマン、
という、「東西お笑い界で最も業界評価がずーっと高いコンビ同士」の対決に。
で、バッファロー吾郎さんが優勝。バナナマンは準優勝。
とりあえずは、一応、お笑い界の片隅に籍を置いている人間として、
バッファロー吾郎さん、おめでとうございます。
今回見てて思ったのだけど、一口にコントといっても、
バッファローとバナナマンでは、入り口も出口も全然違うのだ。本当に丁度
正反対の二組が残った、というぐらい違った。
単純に言ってしまうと、バッファローさんのネタは脚本の段階から面白いのだけど、
バナナマンのネタは、舞台で演じてこそ面白いネタだ。
バッファローさんのネタは、いかに面白いセンテンス、面白い台詞(ボケ)を
詰め込めるかの勝負で、たぶん文字だけでも面白い。
バナナマンのネタは、台詞そのものが面白いとかではなく、「それを言っちゃう状況」
「それをやっちゃう人間性」が面白いので、演技力でしっかりキャラクターを
作って、空気をお客さんになじませる必要がある。
で、結論を言うと、やっぱりバナナマンは素晴らしい、と思った。
特に準決勝・・・1本目の朝礼ネタ(以前何度かやってるネタらしいのですが、
不覚にも未見でした)にそれは如実で。
もうねぇ、始めて数秒でわかるんですけど、台詞量が圧倒的に少ない!
にもかかわらず、とんでもない速さで、見ている人に「二人の関係」が
伝わってくる。
今回は他のコンビにならって後ろに書割を置いてましたけど、
それがむしろ想像力の邪魔に見えるぐらい、設楽さんと日村さんの演技力で状況
をくっきり浮かび上がらせる。
いやー、すげーなぁ、と見てて思いました。
ちなみに、決勝で披露した「宮沢さんとメシ」というコント、
あれは(知っている方も多いと思いますが)バナナマンライブで披露された作品で。
ただ、5分の尺に収めるために、導入部をばっさり落としていたり、
細かいところを少しずつ詰めたりしていました。
それでも充分に面白いネタですが、興味を持った方はぜひ
ロングバージョンが見れるバナナマンのライブDVD「クルクルバード」を
ご覧になってください。
自分が知る限り、導入からオチまで一番完成度の高いコントだと思います。
で、しかもそれが凄いのは、短編の「演劇」としても圧倒的に面白いことで。
大体、あのネタをライブで目の当たりにして、「バナナマンすげー!
設楽さんすげー!仕事したい!」って思ったのが、今年の
「ジャージマン」客演につながってるわけで。
あー、それにしても設楽さんよくウチ出てくれたな?。
マネージャーさんともども、ただただ感謝。
まずは日村さん、お疲れ様でした。
ちょっとの間、設楽さんの力をプロペラ犬でお借りします。
2008.08.26
[ お笑い ]
あさって、27日に発売される「ルック・アット・スター」に、設楽さん×玉置さん×水野美紀の対談が載ってます。
これ、こないだの「ジャージマン」のチラシ撮影のときに取材に来ていただいたもの。
この3人並んで表に出るのはこれが初めてだと思います。
てか、もしかしたら設楽さんが演劇雑誌に出るのって初めてかも。
設楽さんがまだ半分おっかなびっくりな感じで、そこらへんもまた「設楽さん萌え」の
方にはくすぐられるものがあるのでは、と。
設楽さんと水野、玉置さんと水野はそれぞれ面識がありましたが、
この取材があった日(撮影日)に、設楽さんと玉置さんは完全に初対面。
で、水野はいつも玉置さんのことをあだ名で「たまきんぐ」と呼んでおりまして。
玉置さんの「たまきんぐ」は、ブログのタイトルにもしているぐらい、
演劇周りでは通ったあだ名で。
しかし、設楽さん的には水野がでかい声で「たまきんぐは・・・」「たまきんぐって・・・」と
タマキンを連発してたのがかなり心をくすぐったらしく。
設楽「水野さん、さっきからたまきん連発しててすごい気になってんですけど」
水野「ああ、あだ名なんです。玉置さんの」
設楽「あのー、俺もたまきんぐって呼んでいいですか?」
玉置「ええ、もちろん」
てなわけで、後半は取材の場にたまきんが飛び交ってました。
そんなタマキンのおかげで場が和んだものです。
ただ、帰るときに
「俺一回仲良くなっても、間あくと完全にリセットしちゃうんだよなぁ?」
と笑っておりました。
あ、あと9月上旬の「ぴあ」の巻頭インタビューで水野がプロペラ犬に
ついて語ってます。
たぶん4日発売なんですけど。もしかしたら11日かも。
追ってお知らせしますが、各自ぴあ方面にも気を配っていただきたい、
そんな感じです。
※ ※ ※ ※ ※
プロペラ犬第2回公演『ジャージマン』
作 楠野 一郎
演 出 福原 充則
出 演 水野 美紀 設楽 統(バナナマン) 玉置 孝匡
公演日程 2008年11月27日(木)?12月4日(木)
会 場 赤坂RED/THEATER
開演時間
11月27日(木) 19:30
11月28日(金) 19:30
11月29日(土) 14:00/19:30
11月30日(日) 14:00
12月 1日(月) 14:00/19:30
12月 2日(火) 19:30
12月 3日(水) 19:30
12月 4日(木) 19:30
料 金 5,300円(全席指定・消費税込)
チケット発売日 9月27日(土)
東京公演お問合せ オフィス・REN 03-5829-8031
<大阪公演概要>
公演日程 2008年12月7日(日)?8日(月)
会 場 HEP HALL
開演時間
12月7日(日) 14:00/18:00
12月8日(月) 18:30
料 金 5,300円(全席指定・消費税込)
チケット発売日 2008年9月27日(土)
大阪公演お問合せ HEP HALL 06-6366-3636
2007.09.26
[ お笑い ]
いろいろページが増えました。
今後、プロペラ犬関係のいろんな情報はニュースのページでお伝えしていきますので
たまに「あいてる?」って感じで覗いて見て下さい。
公演直前まで、ちょくちょくいろいろあるはずかと。
関係ない話。
今「すべらない話」見てたら設楽さんが出てて、
「おっ、設楽さんだ」と思って見てたらうちのメイキング映像を担当してくれる
演出家の岡宗さんの話をしてました。
バナナマンの好例の夏のライブのDVD映像も岡宗さんが演出しとるのです。
まだ未見の方がいたらぜひ、バナナマンのライブDVD見たほうがいいですよ。
いやもうマジで、本当によくできてますから。一応、お笑い畑の人である
楠野さんが見て嫉妬するライブです。「むき?!よくできてるざます!!」と
心のハンカチ噛み締めて何べんも見てます。
岡宗さんはほぼ香港マフィアと見分けがつきません。
ジョン・ウーの映画にたくさん出てた感じがする顔です。
でも、笑いのことがきちんとわかっている演出をする人です。
お笑いのライブって、あれ、まんま撮っても面白さ伝わんないんですよ、案外。
てか、大概DVDで見るお笑いライブは生で見るのより30%減、ぐらいが普通です。
しかしバナナマンライブは(生も見ましたが)DVD版でも100が100のまま伝わりました。
なんだったら生のときに気づかなかったとこを映像がフォローしてます。
うーむ、編集の妙。
「面白いことをしゃべっている人の顔を撮っている」んじゃなくて
「それを受けている相手の顔」を押さえてないと笑えない瞬間がありまして、
特にバナナマンはそーゆー微妙なさじ加減一つで笑いの量が全然変わるのです。
面白いのは、「面白いことを言っている人」でも「言われてる人」でもなくて、
「面白いことを言わざるを得なくなるその場の空気」とか
「普通に言っていることが面白いことに変化してしまう二人の空気」
なのだなぁ、とバナナマンのDVDを見るたびに思うわけで。
それにしても今日の「すべらない話」の兵動大樹さんの「割れたグラス」話、よくできてたなぁ。
笑いに必要なものが全て入ってる。緊張と緩和、登場人物二人の関係性、
そして思いもよらぬオチ。いやー、この番組も本当毎回勉強になるわ?・・・。
あ、初日まであと62日だ。
2007.09.21
[ お笑い ]
久々にご挨拶。プロペラ犬共同主宰兼脚本家の楠野です。
まずはお知らせから。
次回の「プロペラ犬ひみつ集会」は10月になりそうな感じです。
なんつっても肝心の水野美紀がやっと海外から帰ってきてすぐに次の映画に
インしてしまうやら何やらで、どーにも9月中には時間がとれそうにゃありませぬ。
今しばらくお待ちを。
ひみつ集会で思い出したのですが、先月の会場で声をかけてくださったお客さんが
いました。楠野さんに、です。
どーやらカンコンキンかコサキンで楠野一郎という名前を知った方らしく。
「あの楠野さんとこの楠野さんが同じ人だとは思いませんでした!!」
とえらく感激されてしまい、握手まで求められてしまい。
「いやいやいやいやいや、そんなたいした人間じゃないですからぁ・・・」と丁重に、
というか生来の大人しさ爆発で握手はご辞退したのですが。
楠野さんがカンコンキンシアターで作家をやってたこと、知ってる人ってどれぐらい
いるんでしょうかね?6?7年ぐらい前に抜けてしまったのですが。
(事務所は未だに関根さんと同じ浅井企画、関根さんともたまにご飯食べたりします)
カンコンキンシアターは見ての通りのあの感じなので・・・まあご覧になってない方にも
なんとなくその概要は伝わっているのではと思うのですが・・・
「作家」といっても、いわゆる演劇を作るうえで必要とされる「脚本」とは若干違うもの
が要求されます。
今も外部から見てる限りたぶんそうだと思うのですが、
もはや「演劇の脚本」でも「コントの台本」でもなく、ひたすら
「カンコンキンを毎年見に来る人たちだけを馬鹿笑いさせるための薬の処方箋を作る」
みたいな感じです。うーん、わかりづらいかな。薬ですから、一部の症状を持っている
人にしか効かないし、関根さんもそれを承知で・・・というか、それを望んで作っている。
まあ、マッド・サイエンティストと思ってもらえれば。
しかもこの薬、毎年毎年来る人には段々耐性ができてくるんでどんどん強くなっていく。
カンコンキンの会場に行くと客席の濃度がハンパないのは、お客さんがみんな合法的に
お笑いトリップしちゃってるからで。そりゃ千秋楽4時間40分やってもお客さん大喜びですよ。
いろんな演劇、お笑いライブ見ましたけどあれは無いです、他に。
最初のうち数年は全然雰囲気違いましたよ?。
もっといろんなお客さんいました。単純に笑いも薄かったし・・・。
よく20年続いてるなぁ、って。
ただ、ずーっとその狂騒の中に(年に一度のお祭りとはいえ)身を置いて、
強い薬の処方箋を書き続けていると、また別の欲求が起きるものです。
なんだろう、単純に「世の中にはもっと他にいろんな症状の人がいるよな」と。
自分に何かできるかできないかはともかく、というか
「自分にできること」と「できないこと」を客観的に見極めたい、みたいな感じでしょうか。
そんなこともあって、とりあえず一度少し距離を置いてカンコンキンを見てみたくなって
離れたわけですが。
客席から「お客さん」として見たカンコンキンは毎年楽しいです。
もちろん、人によって激しく好き嫌いがあるだろうなぁ、とは思います。
いやほんと、抜けてからより一層、「いやこりゃダメな人は本当にダメだろうなぁ」と思いますもん。
「プロペラ犬」はどーなるのかなぁ。
結果的に出来上がったものに対して好き嫌いがあって全然かまわないですが、
まずは「自分にできること」がまずちゃんとできていなくては、と。
ただ今、大阪公演の先行予約受付中!!
■電子チケットぴあにて 9月26日朝9時まで
2007.08.02
[ お笑い ]
はい、楠野さんです。
「プロペラ犬」共同主宰&脚本です。
・・・と、毎回のように挨拶から始めるのはまあプロフィール欄がないからしょうがないとして、
自分の名前に「さん付け」ってどうなんだろう、って今急に思いました。
今までのを見返したら、こいつ(自分)、自分の名前にさん付けしてるくせして
水野美紀は呼び捨て!何これ!おまえ誰だ!水野「さん」だろう!水野さん!しゃっ!!
・・・と、怒っている人もいるのでしゅうか。あ、「でしゅうか」って書いちゃった。でしょうか。
真面目な話。
プロペラ犬を立ち上げ、二人(水野・楠野)で外部の方と会ったり打ち合わせしたりする
機会がよくあるのですが、そのたびに
「水野美紀をなんと呼ぶのが正しいのだろうか?」
と思うわけです。
会社では、外部の人とお話しするときは内部の人間は全て呼び捨てですよね。
社長であれ誰であれ。
それにならうと、「プロペラ犬」という一つのユニットを組んでいる人間としては
「水野」「水野!」と呼び捨てでいいわけです。謙譲の意味で。
しかし!「プロペラ犬」は会社ではありません。二人は違う事務所の人間です。
そう考えてしまうと、「水野さん」となるわけで。
でも外部の人の立場で考えると
「こいつら、さん付けで呼び合っているのって大人のマナーとしてどうなのよ?」となる。
考え出すとめんどくさいものなのです。意外と。
個人的に「いいなぁ」と思う「さん付け」「呼び捨て」の例がありまして。
「さまぁ?ず」の二人。
あの二人、よく見てると互いに「さん付け」で呼ぶときと呼び捨てするときを
絶妙に使い分けてます。
基本、呼び捨てなんですが、ある瞬間にすっと「さん付け」になる。
「三村さん」「大竹さん」と。
あれで「自分たち二人のテリトリー」と「外部の人(この場合はお客さん、視聴者)」
の空気の密度の違いみたいなものを絶妙に中和させてるんですよね。
お笑い目線だけで考えると、絶対「呼び捨て」で通したほうが面白いんです、
てか楽なんですよ。
基本、対象物をざっくり扱ったほうがお笑いは産みやすい。テンポも上がるし。
ところがあの二人は、互いに呼び捨てしあうことでどんどん二人の間の空気の
密度が濃くなってお客さんを置いてけぼりにする前に、
すっと「三村さん」「大竹さん」と「さん付け」で緩和する。
「さん付け」した瞬間に、「三村」は「みんなが知ってる三村さん」になるんですよね。
「三村」は大竹さんから見た三村マサカズだけど、
「三村さん」は「みんなが知っている三村マサカズ」。
第三者の視点が入ることで、笑いの空気穴ができるというか。
気持ち、距離を作って対象化できるというか。
逆にほとんど例外なくお互いを呼び捨てしあっているのがおぎやはぎ。
ほら、なんかぐっと密度が上がってますよね。
仲が良いとかいうことではなく、「おぎやはぎ」って
いう世界があって、そこはもうあの二人にしかわからないものがある、
みたいな意味での密度の濃さ。
たぶんあの二人は、そこらへん感覚的にわかった上でそうしてるのだと思います。
「さん付け」と「呼び捨て」の使い方にコンビの特徴はよく現れてると思いますので、
注意して見ると面白いと思いますよ。
・・・と、締めかけて思う。
うちの場合、「水野」と呼び捨てにしつつ、自分のことは「さん付け」。
なんだろうこれ?
自分と距離を作りたいのか?自分に空気穴?自分を対象化したいのか?
ああ、でも確かに自分についての文章を書くことってそういうことかぁ、と思う。