ルーカスからバナナマンへ

こないだ、映画見てたら「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」の予告編をやってた。

ルーカスとスピルバーグがカメラに向かって
「ニホンノ ミナサン コニチワー」
みたいな、よくある日本向けご挨拶ありきの映像なのだけど、
ルーカスの首が完全にバナナマンの日村さん化してた。
てか、首が消滅してんのね、で、日村さんへと進化。
ほぼ、親指みたいな顔(設楽さん曰く)。

もはやルーカス自身が「親指スターウォーズ」だ。

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あの空を、再び

「あの空をおぼえてる」をもう一度見に行った。

以前のブログにも書いたが、私、楠野さんは試写室でこの映画を一度
見せてもらっている。
これは昔からそうなのだけど、未だに「試写室で、ただで映画を見せてもらうこと」に
関して、申し訳なさが先にたってしまう。ほっといても年間200本から300本、
お金払って見る映画馬鹿なのだ、楠野さんは。
ほっときゃほとんどの映画は見るし、それでもなお見ない映画は、よほど
「見たら死ぬかも」という危険な香りを発してるのだ。
大体、試写室の「さあ見てやるぞ」的な雰囲気も好きではない。

なので、試写室で見て、いいなぁと思った作品は、必ずもう一度、映画館に
お金を払って見に行く。それで初めて、その作品に対してフラットに接すること
ができる気がする。
「シザーハンズ」なんかは、初めて見たのが試写室だったんだけど、あまりに
自分の心にフィットしてしまったので、映画館でやってる間、毎週1回見に行ってた。
計8回ぐらい見たと思う。映画館で。
こうなると映画馬鹿を超えて、映画病といっていい。映画患いだ。映画王子だ。
映画の国のお姫様だ。

んなわけで、「あの空~」ももう一回見てきた。
一回目にぼんやりしてて気づかなかった、大事なワンカット(クライマックス近くです)
に気づき、あーやっぱ見といて正解だったなと思う。
同時に、あんな大事なワンカットを見逃してるなんて・・・と、自分の集中力の
なさに愕然とする。
まあ確かに、くしゃみ一回したら見逃しちゃうぐらいの長さのカットなのだけど、おまえ
それわかってなかったら2時間見てた意味無いじゃん!みたいな大事なカット。
やばいですよ。あれ見逃してたってことは、楠野さん相当ぼんやり太郎ですよ。
水野に言ったら怒られそうだなぁ。
「え、あそこのカット見逃してたの!?意味ねーじゃん!!!」って。
言うのよそうっと。
ってブログに書いちゃったなぁ。しょぼしょぼ。

インディ・ジョーンズ

今年の夏は「インディ・ジョーンズ」の夏だ。
「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」の夏だ。と決めている。

小4かそこらで「スター・ウォーズ」の直撃を受け、
中一で「レイダース/失われたアーク」にぶっ飛ばされた私、楠野さんは完全に
ルーカス&スピルバーグチルドレンである。
生まれて初めて見た洋画がスターウォーズで、生まれて初めて一人で
見に行った映画がレイダースなのだ。やむをえない。
(ちなみに、生まれて初めて見に行った邦画は「恐竜・怪鳥の伝説」と
「ドカベン」の二本立てだった)

未だに、フェバリットムービーと言われると「シザーハンズ」なのだけど、
この2作品は好き嫌いを超越した、いわば「自分を作り上げたもと」とも言うべき存在だ。
なんてのかな、「一番好きなおかず」がシザーハンズで、
スターウォーズやインディ・ジョーンズシリーズはご飯や味噌汁という感じ。

ただ、正直、インディの最新作復活にはさほど期待してたわけではなかった。
子供の頃食べた母のおにぎりが今おなじように旨いか、と言われると
それはなんともいえないわけで。
だがしかし、こないだ、映画館でインディ最新作の予告を見てしまった。
高らかに鳴る、あの、おなじみのテーマ曲・・・

も、燃える!!!!燃えますよスピルバーグ兄貴!!!

うーん、やっぱ期待しないわけにはいかない。
面白ければもんのすごく感激するんだろうし、ダメならだめで、「まあいいか」って
ニコニコしながら映画館を出るんだろうなぁと思う。
実家に帰って、母親の作る料理を食べるようなものだ。まずいからって別に腹も立たない。

インディというと、一つ、思い出がある。
6~7年前まで構成&脚本で入っていた関根さんのカンコンキンシアター。
自分は毎回、なんとなく最後の大ネタを書かせてもらうことが多かったのだけど、
(アイディアは皆で出し合います)
13~4年前にやったネタで「インディ正平」ってのを書いた。

関根さんがジャイアント馬場さんの真似をしながら、インディ・ジョーンズをやる話だ、
って今書いてもなんだかわからないが、そういうネタだ。
基本馬場さんなので、赤いトランクス一丁なのだけど、頭にインディっぽい帽子を
かぶっている。なのでインディ正平なのだ。足してみただけだ。意味は無い。
で、敵役が、当時カンコンキンの看板女優だった小路川という子。
ものすごいきゃしゃな子なのだけど、彼女の身長よりもでかいダース・ベイダーの仮面の
かぶりものを着てもらって、悪役になってもらって、闘った。
闘ったというより、二人して舞台の上をおっかけっこしてた。
ほぼ完全に「悪ふざけ」以外の何物でもない。
もんんんんんんんのすごくくっだらない(もちろん関根さんにとっては褒め言葉です)
作品だった。未だに、カンコンキンで関わったネタの中では一番好きかもしれない。

あれから馬場さんが亡くなり、関根さんはモノマネのレパートリーから馬場さんを封印して
しまった。よって、今後、何があっても「インディ正平」が舞台で見れることは無い。
インディ正平は皆の心の中に生き続けているのだ。そういうわけでもないか。

ああ、そういえば先日、広川太一郎さんも亡くなられた。
カンコンキン名物の、オープニングの広川さんネタはどうするのかな・・・と少し
案じている。

「あの空をおぼえてる」

映画「あの空をおぼえてる」を試写で見せていただいた。
水野美紀出演の、ファンタジー要素を含んだ家族愛映画だ。

水野の役は、竹野内豊さん演じる小さな写真館経営者の奥さんであり、
子供二人のよき母である。
ご覧になる方のために多くは触れないが、その家族を襲うある悲劇的な出来事、
そこから家族は再び立ち上がり、前を向いて生きる勇気を持つことができるのか・・
という物語。
満員の試写会場では(マスコミ向けの試写です)終盤のキモとなるあるシーンで
あちこちから啜り泣きが聞こえてきた。
決して派手な映画ではないが、すごく誠実に、丁寧に富樫森監督が撮られてるのが
印象的。富樫監督は映画「ごめん」もそうだったのだけど、
子供の演出がとてもうまいと思う。

で、うちの水野さんはどーかというと、
これがまあちゃんと「ふんわりして、でも芯は強く、明るいママ」に見えるのだ。
まあそれが仕事なのだから当たり前といえば当たり前だが、
実はこの作品の撮影は「マイルドにしぬ」の稽古期間の直前で、てゆーか
一部かぶっている時期もある。
いただいた資料によれば、映画の撮影は昨年の10月~11月初旬。
うちの稽古は11月頭からで、一部10月にもやってた。
このブログをぐーっと前に戻ってもらうとわかるが、その時期、
水野はロケ地である岐阜とこっちを行ったり来たりしてたのだ。

ちなみに、これは稽古と打ち合わせを終え、最終の新感線に乗るべく稽古場を急いで
出る水野のショット。前にも一度乗せましたが。

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つまり、うちの稽古場で入江さん相手に「うー、SEX!SEX!」と何度も何度も
SEXの面白い言い方を猛特訓しているそのかたわら、
岐阜で可愛い子供やら犬やら竹野内豊さんやらに囲まれて
ファンシーな衣装を身にまとった柔らかなママを演じていた。
すげーな女優って、と今更ながらに思う。

それだけではない。
10月というと、制作作業的にもほんとに大変だった時期で、
東京にいる楠野さんと、岐阜の水野は毎日何度も制作関係の打ち合わせを
電話でしていた。
撮影の合間を縫って打ち合わせの電話やメールをしてきて、
「あ、ごめん、撮影始まるから・・・」みたいな感じで電話を切る、みたいなこともたびたび。
制作関係の打ち合わせは、楠野さんも水野もいっぱいいっぱいだったので、
ときに険悪になり、怒鳴りあいになったこともある。
楠野さんはいくら怒鳴ってもその後「くそーっ!」とか言いながら手足バタバタすれば
済む話だが、水野はその直後にふんわりお母さんを演じなければならない。
さすがにより集中力を必要とするシーンの前にはなかったと思うが、
「楠野の野郎!死んでしまえ!」と思いながら撮影に入ったらさぞかし子供たちが
怖がったことだろう。

画面の水野からはそんな、「うーSEX!」の邪気も、
「楠野死んでしまえ!」の殺気も、みじんも感じさせない。
おだやかな母親の空気そのものだ。当たり前だが。

そーいえば子供役の二人は、「マイルドにしぬ」を見に来たのかな。
たぶん見に来てはいないと思うのだが、見たら相当な
ショックは受けたのではないだろうか。
「ママ!ママ!つらすぎてそんななっちゃったの!?」って泣くかもしんない。
二人にはぜひ、1年後ぐらいに見ていただきたい。

で、「マイルドにしぬ」を舞台で、あるいはシアターテレビジョンでご覧になった方は
ぜひ「あの空をおぼえてる」も2回見ることをお奨めします。
一回目は、何の邪念もなく、ピュアな物語に没頭して。
で、2回目は、
「この頃、水野さんはこれやりながらその裏であんなことになってたんだな~」
と思いながら。
ある種、全く別の感動を味わえるのではないかと思います。

ハード・リベンジ、ミリー

水野美紀主演「バーボンのミキ」そして今年公開の中篇アクション
「ハード・リベンジ・ミリー」の辻本監督のブログを見てみたら、
「ハード・リベンジ」と「ミリー」の間は「・」ではなく「、」であるのがこだわり
ポイントなのだと力説されていた。

はっ。たしかに、以前書いたときには「ハード・リベンジ・ミリー」って書いてしまった。
これはいかん。表記は大事だ。
楠野さんだって「マイルドにしぬ」が「マイるどにしぬ」って書かれたらどーかと思う。
「私のるどにしぬ」って、なんだよ「るどにしぬ」。食べ物か。若干麺類の感じもするし。
いかん。今度から「、」だ。「ハー・ドリベンジ、ミリー」だ。
違う。「どリベンジ」ってなんだ。もんのすごい復讐なのか?「ちょーリベンジ」みたいな。
しかも「彼女のどリベンジ」だ。って意味あってるじゃないか。
いやあってないぞ、楠野。落ち着け。甘いものでも食え。
「ハード・リベンジ、ミリー」だ。
もう忘れない。

ちなみに、映画自体は「マイルドにしぬ」の川崎公演直後にインしたそうで、
監督曰く
「水野さんがだいぶ痩せてた」とのこと。衣装合わせなども多少苦労があったらしい。
稽古からずーっと見てたから全く気づかなかったのだけど、まああれだけ毎日
カロリー消費すりゃ痩せるはずだ。
しかし、役柄的にはシャープさが増してとても良かったらしい。
そりゃまあ、「どリベンジ」する女ですから、頬の一つもコケてたほうが良いでしょう。
話を聞く限り、映画の中では相当にとんでもないどリベンジの連続で、
水野のどアクションを期待される方にはど満足いただけるものになっているようだ。

今年は「さそり」もあるし、水野の周りはなんだかアクションづいてるみたいだ。
さて、どうしよっかな、プリペラ犬。ってプリペラって書いちった。

口裂けからの縁

「口裂け女2」が公開されるそうだ。
全然知らなかった。3月22日公開、ってことは目の前なのに。

とはいっても、「2」のほうは水野美紀とはまーったく関係ないらしい。
ちなみに、1作目の「口裂け女」の特殊メイクを担当した中田さんは、「マイルドにしぬ」
でも特殊効果を担当してくださっている。
指とか、腸とか、耳とか、血がばーっ、とか、あそこらへんのことだ。
中田さんは「アカドクロ」などの舞台でも特殊効果を請け負っているその道の
エキスパートで、うちもとても助けていただいた。

実は、「マイルドにしぬ」をやる話になってすぐぐらいに「口裂け」の撮影に入り、
水野がたまたま現場で会った中田さんに速攻で脚本を渡してオファーしたのだ。
こーゆーのが縁なのだなぁと思うし、水野の動きの速さも頼もしい。

大体、「口裂け」自体、もともと水野が、出演オファーに対して
「どうせやるなら口裂け女役で・・・」
と、自ら口裂けた役。
(すでにいくつかの記事に出ていますが、当初は他の役でオファーされていたらしい)
口裂け女役じゃなかったら、たぶん現場で中田さんに会うこともなかったわけで、
そこらへん、引きが強いというより、自分の意思で動いた結果、引き寄せたといえる。

人生、なんでもやってみるもんだ。
と、普通にまとめる。

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水野がつけてるのは、
今回劇場で発売された缶バッジ、「かーぶまん」と「かーぶまん(怒)」。
もちろんこの缶バッジ二点とも、水野美紀画伯の手によるもの。
「マイルドにしぬ」のパンフの一番目立つところに登場したのに、
結局本編の芝居の中で全く触れられぬままに終わったという謎すぎるキャラクター、
「かーぶまん」の缶バッジ。拡大するとこんな感じです。

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LサイズとSサイズは売り切れてしまい、残りはMサイズのみ。
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マゴリアムおじさんとか気まぐれシェフとか

大体、映画を見るときはチケット(前売り券)を買っていくことにしている。
単純な話、当日券より若干安いからだ。安いのは好きだ。

で、こないだ、ナタリー・ポートマンとダスティン・ホフマンの映画
「マゴリアムおじさんと不思議なおもちゃ屋」の前売り券を買いに行った。
買う前にちらりと頭をよぎる不安。タイトルが長い、加えて若干口に出すのがはずい。
映画のチケットを買うときに、たまにある不安である。
しかし、例えば「スゥイーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」だとしたら、
「スゥイーニー・トッド1枚ください」で事足りる。悪魔とか理髪師とか言わなくても。

しかししかし、「マゴリアムおじさんと不思議なおもちゃ屋」を「マゴリアムおじさん」と
略しても、なんというか、若干の恥ずかしさを拭うことはできない。
主に恥ずかしさの原因は「マゴリアムおじさん」のパートにあるのだ。
「マゴリアムおじさん1枚ください」
うーん、言えない。はずい。
しかも、マゴリアムなんつー耳慣れない名前は、噛む可能性が大いにある。
噛むのは嫌だ。恥ずかしさを増幅させる。
楠野さんは何度か心の中で「マゴリアム・・・マゴリアム・・・」と復唱し、意を決して言った。
楠野「マゴリアムおじさんと不思議なおもちゃ屋、1枚ください」
店員「はい、不思議なおもちゃ一枚ですね」

「マゴリアムおじさん」言えよ!!!!

俺だけに恥ずかしい思いをさせて、おまえは逃げるのか!店員!
楠野さんは今、心のフルチンなんだぞ!おまえは厚着か!

これと同様のパターンは、レストランや居酒屋でもある。
楠野「気まぐれシェフのスタミナたっぷりポパイほうれん草サラダください」
店員「はい、ほうれん草サラダですね」
わー!!!こらー!!!いろいろー!!!

ちなみに、逆に「あえて口に出して言いたいメニュー」もある。
楠野さん的には「鳥わさ」がかっこいいと思うのだが、どうか。

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「ジョーズ」そして「悪魔のいけにえ」。

俳優のロイ・シャイダーが亡くなった。なんだか寂しい。

ロイ・シャイダーといえば、「ブルーサンダー」もいいが、やっぱり「ジョーズ」の
ブロディ署長、ということになるだろう。
今更くだくだと語るまでも無く、「ジョーズ」は映画史上でも最も面白い映画の一つ
だと思う。てかベスト1だろ、という人がいても全く不思議ではない。むしろそんな人とは
一晩中映画の話ができそうだ。

とはいうものの、実は「ジョーズ」はリアルタイムで見ていない。
日本で公開されたときは8歳。
初めて映画館に親と一緒に見に行った洋画が2年後の「未知との遭遇」で、
さらに「スターウォーズ」で完全に脳髄をやられてしまった、恥ずかしいぐらいの
「スピルバーグ&ルーカス直撃世代」なのだが、8歳の頃はとてもとても「ジョーズ」なんて見れなかった。
字幕が読めなかったからではない。

怖い映画が本当にダメだったのだ。

6歳ぐらいのとき、世間はオカルト映画ブームで、おっかない映画が毎週毎週
公開されていた。てか、「オカルト映画」というよりは「怖い映画ブーム」。
心霊もの、殺人鬼もの、ゾンビもの、悪魔物、全てひっくるめて今でいう「ホラー映画」
みたいなくくりとして「オカルト映画」と呼ばれていた気がする。

今でも鮮烈に覚えていることがある。
たぶん6歳か7歳のとき。
うちの亡くなった祖母が、「悪魔のいけにえ」を映画館で見てきた。
電動のこぎりを持った、とんでもなくおっかない男が主人公たちを追いかけてくる話らしい、
ということは何となく知っていた。当時はちょくちょく映画のCMも流れてたし。
で、少年(てか幼年)楠野さんは、恐る恐るおばあちゃんに聞いた。
楠野「悪魔のいけにえ、最後、どうなるの?」
祖母「みんな殺されちゃうんだよ、一人を残して」
楠野「・・・その一人はどうなるの?」
祖母「その人もね、逃げるんだけど、頭が変になっちゃうんだよ」
楠野「・・・うそだ!うそでしょ、そんなことないよね?」
祖母「ううん、頭が変になっちゃうんだよ・・・」
楠野「うそだ!そんなわけない!うそでしょ?ねえ、うそでしょ!!!ねえ!!!!!うわーん!!」
・・・泣いた。
それまで見てきたTVのヒーローものでは、どんなに怖い怪人が現れても、最後には
ヒーローが現れて、やっつけてくれた。「正義は勝つ」これが少年楠野くんの心のよりどころだった。
しかし、「悪魔のいけにえ」では、みんな惨殺されたあげく、最後に残った人も、とても
ハッピーエンドとは言いがたい結末を迎えるらしい。
「正義は勝つとは限らない」
これを知ってしまったことが、ものすごく怖かったのだ。

今にして思えば、祖母も、6歳の子供の質問にもう少し気を利かせて答えてくれれば
よかったのだが。おかげですっかりトラウマだ。
本物の「悪魔のいけにえ」を見ていないが故に、頭の中で必要以上におっかないイメージ
がどす黒く広がり、こびりついた。

以来、十年ぐらいホラー映画が見れなくなった。
「ゾンビ」も「悪魔のいけにえ」も「シャイニング」も、その他ありとあらゆるホラー映画を
リアルタイムで見れる世代でありながら、結局だいぶ後にビデオで見た。

「悪魔のいけにえ」を見たのは、かなり多くのホラー映画を克服した後、
たぶん20歳を超えていたと思う。
「ゾンビ」を克服し、「エクソシスト」を乗り越え、最後に残った「トラウマとの対決」が
「悪魔のいけにえ鑑賞」だった。

ビデオで見た。
20歳でも怖かった。
あんまり怖くて、途中で一回ビデオを「ポーズ」にした。
「へっ、おまえなんて、俺の手の中のリモコンで操っているのさ!」と確認したかったのだ。
画面の中で起きていることが作り事であるとしっかり確認することで、なんとか楠野さんは
最後までしっかり見切ることができた。
「勝った」と思った。勝ったぞ、レザーフェイスに。心の中でロッキーのラストに流れるあの
音楽が高らかに流れた。
「エイドリアーン!!」叫びはしなかったが、魂はこう叫んでいた。
「おばあちゃーん!!」

今、ホラー映画を好んで見に行き、ゾンビものの脚本とか書いてる自分を
6歳の楠野少年が見たら、なんと言うだろうか。
「28週後・・・」なんて見たら、楠野少年は冒頭5分で盛大に泡を吹くに違いない。
怖さで死ぬ可能性もある。死因=「怖かったから」。十分ありえる。

ある種の映画は、人の人生を変える。
そう思うだけで、すごくドキドキできる。

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テラビシアにかける橋

映画「テラビシアにかける橋」を見に行った。

正直ノーマークで、なんとなく「ファンタジーものらしい」というぐらいしか
予備知識がない状態で見たのだが、これがもー良かった。

一口に言うと、「少年(の心を持つ人)が、いかに現実世界と折り合いをつけて
生きていくか」というお話。
そういう意味では、ファンタジーと言われて思う感じのものとは若干違うかもしれない。
そうさなぁ、トーンはかなり違うが、「パンズ・ラビリンス」と表裏一体、みたいな映画です。
あれの主人公は少女、こちらは少年。
両方に「見える」物の造型の違いはとっても興味深い。

なるべく予備知識ナシで見ていただきたいので、あまり内容には触れないが、
あるシーンから完全に涙腺崩壊が始まってしまい、もーそっから本当にやばかった。
「泣けますよ!」という言い方で映画をお奨めするのは好きではないのだけど、
自分の中のある感情を激しく揺さぶったのは間違いない。

旗揚げ公演「マイルドにしぬ」も、まあナリは変てこオムニバスなんだけど、
自分の中ではこーゆー事がやりたくて書いた。
「28週後」も好きだが、「テラビシア」も好きだ。
かたや救いの無いゾンビアクション、かたや少年の成長譚の形をとったファンタジー。
ジャンルとしては全く違うのだが、共通するのは、
現実世界をうまく泳ぐことができず、ある世界に逃げ込んでしまった人が、
現実世界と起こす摩擦の中に起きる物語。

そーゆーのが好きなのだなぁ、と改めて感じた次第。

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インフラマンを愛でる

昨日のブログで水野がかの香港映画「片腕ドラゴン」について熱く語っていた。
その頃、楠野さんはといえば「徳川セックス禁止令」について熱く語っていたわけで、
偶然とはいえ、プロペラ犬の趣味嗜好の大幅な偏りを感じざるをえない。

とはいうものの、水野は「片腕ドラゴン」を見つつ、
一方、サードファクトリーでオサレなバッグのデザインをしたりしてるわけで、
偏っているというより、嗜好が右にも左にもひろーいのだ。

問題なのは楠野さんで、水野の片腕ドラゴン話になんだかいてもたってもいられなくなり、
以前より見たかった香港映画「中国超人インフラマン」を借りて見てしまった。
ちなみにこのタイトルが示す如く、
香港で30年ちょい前に製作された変身ヒーローものである。

「映画を見ながらツッコミを入れつつ、愛でる」
という楽しみは、時に行き過ぎると本質を見失いがちだが、こと香港映画に関しては、
ちょっとやそっとのツッコミでは揺らぎもしない、開き直った物の強さがある。
「片腕ドラゴン」も「インフラマン」も、その口だ。

もーなんだか、とにかく面白い!!!
今、仕事のことや恋愛のこと等でお悩みを抱えている方に、ぜひとも
お奨めしたい。でかい声で笑って、
「ま、いろいろあるけど明日も頑張るか」と思えるはずだ。
インフラ効果はそれほどのものがある。

基本的には、仮面ライダーやウルトラマン、ゴレンジャー等の日本の特撮ヒーローものの
影響モロバレで、物語のモチーフもそのまんま。
世界征服をたくらむ悪の組織があり、いろんな怪人がいて、
その下にはわらわら戦闘員がいる。
それに対して「科学特捜隊」的な正義の組織があり、
その中の一人が変身能力を授かって、悪と戦う。まあ、そういうことだ。

何がどう面白いかは、ぜひ見ていただいて(できれば、酒でも飲みながら)
確認していただくとして・・・というかおいしい所だらけで、
どこから箸をつけていいのやら・・という感じなのだが。

一つだけあげておくなら。中盤のこんなシーン。
インフラマンの前に、怪人クモ男(みたいな奴)が現れ、戦いになる。
等身大での闘いではらちがあかないと見たクモ男は、やおら巨大化!!!
何の説明もなしに!
と、それに対してインフラマンもぐいーんと巨大化!!!
何の説明もなしに!
お互いに対して「だったら最初からそうしろよ」とも言えるし、
「お互いに巨大化しちゃうなら、まあ、最初はお互い様子見るよな」とも言える。
で、どったんばったん巨大化した二人が戦うのだが、インフラマンはクモ男を
発電所に向けてえいやっ、と投げ飛ばす!
発電所大破!たぶん地上では大惨事になっていたと思われるが、
怪人退治第一のインフラマンには関係なし!
その電気ショック(?)で、見る見るうちに身体が等身大に戻ったクモ男。
で、インフラマンも戻って対等で戦うのかと思いきや、彼は巨大化したまま、
逃げ惑うクモ男を「ぷちっ」と踏み潰してしまうのだ!
うーん、人生の厳しさとはそういうものだ。
いつもいつも相手に合わせていてはいけない、ときには自分本位でいいのだ、という
人生の本質を教えてくれるインフラマンの行動である。

・・・このシーンは序の口で、他にもいろいろなことをインフラマンはしでかしてくれる。
とにかく楽しい。
ベースは日本のヒーローものだが、アクションシーンはさすがに香港風味なのも楽しい。

最後に、インフラマンの勇姿を。
必殺技「超人ビーム」発射の瞬間を捉えた一瞬である。

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超人ビーム、細い!!!!